釣りにRUN&GUN(ランガン)という言葉ある。
ランガンとは主にルアーで釣り場を次々移動しながら好ポイントを探っていくことを言うそうだが、道具の多いフカセ釣りにおいて、重いタックルボックスやコマセのバッカンを持って釣り場を移動するのは重労働。本来撒き餌で魚を寄せる釣りだから、釣座をコロコロ変えるという発想が無く機動力も無い釣法。しかし、撒き餌を撒いても魚が居ないところは所詮無理。魚の餌付けのために居続けるほど気長じゃないので移動したくなるのだが、水を吸ったコマセは10kg近い。マジしんどいです。
今回は三浦半島西岸の芦名港隣の「ノリコシ磯」に行ってみた。この日は小潮で超ベタ凪状態で水深が浅く海水の濁りもまったく無い状態。ガイドブックによればチャランボが必要な釣座を波が洗う程度の満潮時でないとダメだと書いてはあった。もともとチャランボは持ってないし、せっかく来たのでと竿を出すも魚の気配は全く無し。2時間粘って釣れたのはクサフグ6匹とダイナンギンポ1匹。
こんな釣果で終わりたくないので、前回釣果のあった荒崎に向かったが、「ドンドン引き」は既に釣り師でいっぱい。しかたなく隣の「城山下」に移動。空いてる場所で竿を出すも、魚がちっとも浮いてこない。潮が悪いからいかんともしがたいが、またまた移動。そこでやっと魚影を見ることができた。
で、上げたのが初アイゴ。
大きさは25cmくらいだが、メジナより強い引きで楽しめた。鰭に毒を持つこの魚は「バリ」とも呼ばれ、刺させると無茶苦茶痛いらしく、しかも内蔵に臭みが強く、身につくと磯臭くて食べられないと言われる。関東では食べるひとはほとんどおらず外道扱いで、40cmあっても捨てる人が多い。でも西日本では食べる人が多く、アイゴ狙いの人も多いとか。そこでボラの件もあるので、噂より自分で食って判断しようと釣ったその場で恐る恐る鰭を切り、頭を落として持ち帰った。
この魚、鱗が無く調理がしやすい。グレは硬い鱗を剥がすとき飛び散って台所が凄いことになるが、アイゴは楽だ。三枚に下ろして刺し身にすると・・・ウマイ!臭みなんてぜんぜんありません。
食わず嫌いはよくない。
何でも自分の舌で確かめねばと再確認した。